スタビライゼーション

スタビライゼーションという言葉があります。「安定していること」というような意味です。車などの揺れを減少させるスタビライザーという装置もあります。

私たちは地球上で重力の影響を受けて暮らしていますが、歩く時や座る時、走る時など自分の姿勢には無意識で行っていると思います。

地球上では大気圧(空気の重さの圧力)があるので１平方センチメートル当たり約１ｋｇの力が加わった中で生活しています。そんなに大きな圧力が加わっているとは全く感じませんが、宇宙では大気圧がないので大変です。宇宙飛行士は地球に帰ってきてすぐにスタスタと歩くこともできず、紙１枚持っても重く感じるでしょう。最近では宇宙ステーションなどで長期間滞在する場合は、筋トレをして筋肉や骨が弱くならないようにしていますね。地球に帰ってきても短期間のリハビリで元の生活に戻れるようです。

宇宙はともかく、普段私たちは何気なく生活していますが、日常生活の慢性的な身体への負担(車や電車での通勤、毎日の家事仕事、会社での作業スタイルなど)で適正な身体の状態が変形していきます。年齢を重ねるにつれ身体が歪み姿勢が悪くなっていきます。すると身体が負担を受け、凝りや痛みを発し全身症状に至る場合もあります。さらに心身が深刻な疲労状態に陥ることもあります。できるだけそうならないようにするには、リラックスをしてストレスをためないとか、ストレッチングや筋肉の緊張をほぐすことなどがあります。しかし、それにもまして様々な動作を行う時あるいは運動時の障害予防のため、動的柔軟性を高めることがとても大事になります。動的柔軟性を高めるには体幹(特にお腹の内部や股関節付近)を鍛えることが大切です。

身体の安定性を養うには最近ではよく体幹を鍛えればよいといわれます。体幹を鍛えることでスタビライゼーションの能力が高まります。実は身体が柔らかいことは良いのですが柔らかいだけではだめなのです。勿論固くても良くありません。スタビライゼーションの能力を高めるエクササイズがあります。(機会があればいつか紹介したいと思います。インターネットでも検索できるかと思います。）このエクササイズを行うことで動作中の自分の身体の位置や状態を素早く把握し、神経や筋肉の協調性機能を高めバランスがとれる身体になっていきます。ひいては将来健康的に老いていく身体をつくるということにつながります。若い人から年配の方まで年齢に応じたエクササイズを行うことが大切で、決して無理をしてはいけません。エクササイズをした後は必ずストレッチをして筋肉の緊張をほぐすことも忘れずに行わなければなりません。